2007年6月19日火曜日

人生 うまくいかないのが 当たり前なんだ


いや、ホンマに子どもは欲しかった。

バスで高松に行くが、Aの子ども、私にとっては、ボランティア預かりの長男小学校3年生、若干知恵遅れ。コーチャンと久しぶりに過ごす。

バス旅行に参加した子どもは彼ひとりだった。コーチャンが障害があることも皆知ってくれている。
だから、みんなにチヤホヤされてこいつはホンマに甘えんぼになりつつある。
SAでは、なぜか彼は私について歩く。 私が好きだからではない。 
「こんなのある」とオモチャを指差す。
「あなたね。小学校にもなって、こんな赤ちゃんみたいなものいらないでしょ」と怒る。
で、私が日本地図の子供向けのパズルなら(850円な)ら買ってやると。 本人、そんなのはイラナイという感じだったが、他に買ってくれそうにないと買ってくれるのならと買う。
でもバスの中で今どこ? というのが始まって地図を見せて説明。
四国って何? 香川はどこ? 関空はどこにある? 沖縄は? と質問が続き、
ちょと地図に興味が出たみたいでよかった。 ちょっとは使うかな?
私に本当の子どもがいたら、私は絶対に教育ママになっていただろうなぁと。 

2カ所目では、私は好きなものを買ってくれそうにないとわかり、母親について行く。
ママは、千と千尋の神隠しに出てきた、小さいモケモケ?風のゴムのボヨンボヨンを買ってくれて栗林公園でそれを投げて遊んでくれたみたいで喜んでいた。 
私だったら、ずっとオシャベリしてるけど、ああいう感じにのびのび遊んであげることはなかったかもしれない。 私は子どもがなくてよかったかもしらんとか、ちらっと思う。 
ま、そんなこと思ってもしかたない。

3ヶ所目のお土産トコロは、バスの中ですでにスナックのママがアイスクリーム買ってあげると言われていそいそついていく。しかし、やがてじわっと私に近づき、大きなお菓子(1200円くらい)を買えという。 私が小さいのにしろと言うと、「2つ買って」 なめとんのか?と無視。
私もアイスクリーム食べようと、注文してたら、自分のを必死で食べ終え「これ」とチョコレートのアイスを指差したので、完全無視。
私のアイスをさじで食べさせはやったが、残念ながら私のは小豆だったから3口でいらない。

あんた。かわいらしくないで。 と説教。

 「買ってもらったら何って言うんや?」

 「ありがとう」 とコーチャンはへへへと笑う。

それも可愛くない。 そんなの今のうちだけだぞと説教してもまだわからん。
何でも当たり前やと思ったらあかんぞ。 何が知的障害だ!
私の説教がしつこそうなので「ママのところに行っていい?」と逃げた。
が、
その後も私以外のカモを求めて歩いてしまい、軽く迷子になり皆で捜索。いつも持っておけと言われた携帯を持ってなかったとママにゲキ怒りされて半べそ。 笑った。



旅行から帰って、家で一人になりやっぱり施設に行ったまま会えない次男のことを考えて落ち込んだ。
しょうがないけど、長男のノンキさと幸せぶりに比べて次男が可哀相でたまらない。

でも、それを悩んでもしかたない。
基本的に人生はままならないのだ。 それを当たり前だと思わないといけない。
振り返って自分の人生も、思い通りにならないことばかりだった。

そして、可哀相なんかじゃない。次男はあの母親と離れてラッキーなはずだ。 
あの子もちょっとワガママだったから、厳しい環境でいいんだと。

人生は、最後までわからない。
母親が蒸発して施設に入り、お父さんに引き取られた少女にも私はそれを言った。
「可哀相だけどあなたは施設で育ったこともあるというのは一生ついてまわる。それを恨んで生きてもしかたない。可哀相な子やねと言われてもしかたない。そんなのは一瞬で、可哀相だからって大事になんてしてもらえない。 でもね。一生懸命にあなたが頑張って、それなりの人生をやったら『あの子は可哀相なときもあったのに偉い』って倍褒めてもらえる。 だから頑張らないといかん。 頑張ったら必ずいいことになる」
長女は確かに頑張った。 本当に偉いと思う。
私だったらできなかったんじゃないかと思うほどだ。


今日、その蒸発した母親が建て替えている携帯電話代を払いに来てくれて、ちょっとお茶した。
足が不自由に生まれた彼女は、親がずっと甘やかせて育てたらしい。
そして今日も「男がずっとメールばっかりしてるねん」と落ち込んだ様子で私に甘えて言った。

「あなたね。そんな汚い頭してグチばっかり言ってて、男が振り向いてくれると思うのがおかしいで。うっとおしいだけや。 心配せんでもあの男が、出会い系でカッコつけても、実際会いましょかというて、会ったらガックリされるタイプや。 メールしかできへん男やから安心してたらいいねん。 メールのオジャマにならないように、知らん顔して、にっこり笑ってあげてたらいいだけよ。とりあえず髪を切れ」

「あんたは足が悪いのを武器にしてな。ネガティブなことばかりを言うて、人の気をひいてるつもりやけど、そんなん一瞬やで。そんな暗いこといつまでも皆聞いてくれへん。オマエは親をおじい、とかババとか偉そうに言うてね。でも、実際は、その親に依存して生きてきたこと反省しろ」

「でも、親が悪いと思うわ。 あんたを可哀相、可哀相って感情のままに可愛がった親が悪い。本当に親やったらな。この子のために厳しく育てないといかんと思うのが本当の愛情やねん」

「あんたも親のおかげで、親と同じように感情のままに行動しすぎるところがあるんや。それが病気なんか性格なんかしらんけど、人に迷惑かけたらいかんわ。 感謝もせないかん」

ああ、私にこんな風に説教してくれる人が欲しいと自分の名調子に酔いながら説教してしまいました。


 確かに人生はうまくいかない。そう思っていて間違いない。
 おかげで私は結構逞しくなった。 本当に感謝である。 

 いいことがあったらついている。
 悪いことがあったらありがとう。 BY 斎藤一人

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