2006年10月17日火曜日

無骨で純粋な愛

今日は、朝かから近所の足の悪いおじさんの家に行き、リサイクルゴミを出してあげた。
オジチャンといつも道で会ってお話していて、最近、そういうことを頼まれてしてあげるようになった。

私しゃ、それを自慢したいんじゃなくって、ど~も田舎に育ったせいか、そういう人とのふれあいが異常に好きなんだよ。 パチンコ屋が何がいいて、まったく知らない人に「オバチャン。それは下がり台やから追いかけたらひどいめ合うで」とかオセッカイしたり、「そんなプレミア見たことない」とわきあいあいと盛り上がるのがこれまた好きなんである。

で、今朝、おじちゃんの家に行ったら、古い旅行のお土産があって「それもらってください」ってペンダントとキーフォルダーをもらった。 いったい、このオジチャンは何の理由で足が悪いのに一人暮らしをしているんだろうか。そして、いつ、このお土産を誰のために買い渡せなかったんだろう…。
この旅行に行ったときは足は悪くなかったのだろうか?

最初は無口で歯をくいしばって生きているような怒ったような感じだったけど、こうして付き合うようになると、決して、嫌なオジチャンじゃないし、普通の人なんだけど。

ペンダントはいかにも温泉のお土産みたいなもんなんだけど。 嬉しくて今日はそれをしていた。
私は、実はスマートなカッコいい男よりも無骨な感じの男の人の不器用な愛情っていいなと思う方なのである。それはとても純粋に感じられるから。
オパール?


 うちのお父さんという人もとても無骨な人だ。 ま、田舎のおじちゃんなのである。
 この前、好きな中国旅行をして、お土産にヒスイを入れたちゃちなブレスレットを買ってきた。

母親が「こなもん誰がするんよ!ださい!」と笑う。 まぁ。お土産なんていうものはそういうものである。 うちのお母さんがオーストラリアで誰がかぶるかわからないカントリーハットを買ったのと同じだ。

 するとお父さんが「これはユミ(私)にと思って…あいつは妹とちがって何も宝石とか持ってないから」と言ったというのだ。 たぶん、そのブレスレットは中国で500円くらいで買ったものだったと思うけど。

 確かに、私は貧乏で妹みたいに宝石なんてひとつも持ってないのだ。
 でも、お父さん!10万を越すソフトとかも持ってるから心配せんといて!って思ったけど、お父さんは私が年頃になっても一切、そういうブランドも光物もしていないことを心配していたようなのである。
 涙が出そうなった。

 うちのお父さんは世界一優しいお父さんだと思った。 
 その父は、私に赤ちゃんはまだかとか、早く孫の顔が見たいとかだだの一度も言ったことがない。
 まぁ、ノロケになるけど、うちの亭主という人もそういうところがあって、不器用だけど誠実な感じを(だまされたのかもしれないが)いいなと思って結婚したのだった。

 
 それにしても、
 うちのお父さんは、娘も妻もいて幸せだけど、近所のオジチャンは何の事情で一人なんかなぁ。まあ。私も聞きもしない。 彼はどこかですれ違ってしまった人がいたんだろうなぁと思う。

 たまに「おいちゃんトイレットペーパーとか大きい買い物とかどうしてんの?」と聞いて

 「それはヘルパーさんがしてくれてるんや」とか聞いて「そう。また何かあったら言うてね」というような会話を楽しむだけである。

 それがとってもいい感じなんだ。 

0 コメント: