平和な町 丹原町
久しぶりに田舎の台所で料理をする。 田舎の台所には、様々な食材が無料で届けられる。
この柿は同級生の男の子が偶然にも届けてくれたもの。 このシイタケももらいもの。 手のひらほどある。 父ちゃんに「マツタケはもらえないのか?」と聞いた。
すると、マツタケ山とかいうのを持っている人でも、あまり採れなくなっていると聞いたと。 昔、近所の寿司屋のお兄ちゃんが、石鎚山にマツタケ狩りに行き足を滑らして死んだと。 マツタケというのはそういうところでしか採れないのだと。 そうだったのか!
「田舎の人間はマツタケをありがたがって食べる習慣なんかない」と父ちゃんは言う。
ほうれん草やら、小松菜やら、普通に採れるものを普通に食していれば健康になれるのだ!と。
確かにそうである。本当に、ハクサイもタマネギもくれるというたら山盛りくれるので、ほとんど野菜とか買う必要がない。 それをいかに食べるかに必死になって、そればっかり食べて十分に健康なんだと。
柿なんて1日2個も3個も食べる。 食べないと困るから食べるって感じ。
ありがたい話で、さらにマツタケなどと贅沢を言うのはバカであると。 なるほど。と。
スーパーでみかんなんか300円で山盛り買える。 お土産にみかん買おうかなと田舎のスーパーであまりに安いので不安になっていると、オバチャンがいきなり売り物のみかんをつかんで食べ、私にもくれた。 「これ美味しいよ。大丈夫」と私に言う。 定員さんかと思ったがそうではなく、普通のお客さんであった。田舎のスーパーではそういう大胆なことも可能らしい。
そうまでされると買わないとおれないので、2袋購入。 それだけで持ちきれないほどの量だった。
でも、そんな平和な丹原町。 そこに連続空き巣が出たのだという。
母親がカメラ店にたたずんでいた空き巣に遭遇し、空き巣とはまったく思わず「どうかしたの?」と聞いたら「丹原東中に行くのはどうしたらいいですか?」と犯人は道を聞いたのだそうだ。
それで母親は懇切丁寧に教え、そのためよく人相を覚えていた。
そして犯人が出て行った後に、嫌な予感がした母親は、レジを開けたら、まったくお札がなかったのだという。
それであわてて警察に電話し、母親は似顔絵捜査に協力した。 そして、母親は証人として2回ほど警察に行き「あの人に間違いないです」とかいうテレビドラマのようなことをしたそうだ。
捕まったのは、自転車で四国一円を回り、のべ50回以上の空き巣を繰り返していた28歳の若者であった。実家のカメラ店には3回も入っていたのだそうだ。 母親はお手柄ということになり、若い刑事が菓子折りを持ってお礼に来たそうだ。 まだ菓子折りは手をつけられておらず私も見たのであるが、どうみても3000円以上はする高級品であった。
なんと、その犯人は父親も店で遭遇しており同じように世間話をしたのだという。 でも、父親は気がつかなかったと。
でもなぁ。この平和な田舎でず~っと空き巣していかないと食べていけない28歳の若者は可哀相だなぁという話で町内では盛り上がっているようである。 産業がないのがいかん。 規制緩和もやりすぎた。
田舎は優しい。 若者に私しゃ教えてやりたいと思った。 丹原町民は若者の更正を祈っている。
お金はもらえないけど、みかんや柿ならタダでいつでもくれるのに。
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