人生の並木道
先日亡くなったおじちゃんに、死ぬ2年前に私はDVDを作って見せてあげたことは、本当によかったなと思う。
実家がカメラ店なので、お父さんが8ミリを大量に撮影していた。その中に、おじちゃんがお爺ちゃんの米寿の祝いでお祝の歌を熱唱しているのがカラーの音声付で記録されている。
もうおじちゃんがあぶないと知って、どうしてもそれを見せたいと思った。
その映像をお父ちゃんと私で1日かかりで探しだし、デジカメで撮影してDVDに記録したのだ。
おじちゃんは「泣くな妹よ、妹よ泣くな」と人生の並木道を熱唱していた。
本当に幸せそうな映像である。
それを病院のベットでポータブルプレイヤーで再生したとき、イヤホンから流れてくる自分の声に、ほとんど目が開かないおじさんが、パチっと目を見開きDVDをくいいるように見ていた。
そのDVDはその後も時々見たのだという。
最近、人生の並木道が歩いていると聞こえてくる。
泣くな妹よと思い浮かんで泣いてしまいそうになる。
人生は基本的にしんどいと私は思う。負け組と勝ち組が確かにいて、その中で折れてしまいそうな気持を、いろんなことをして支えながら誰もが生きているのではないだろうか。
この苦しい人生に負けてはいけないのだと思う。
とにかく少しづつでも前向きに取り組んでいくしかない。
この人生の並木道という歌はほんとうにいいなとか思うようになってしまった。
で、吐血で激やせした我が夫は、まさに今人生の並木道にたたずみ、どうすべきか心をめぐらしている。
英語をせっかく本気でやったのに、このままだったら衰えてしまうなとか…。
ん=。今あなたが焦らないといけないのは、とりあえず新聞配達でもして貯金でもすることじゃないでしょうか?とか。
夜中の3時にめざましかけて、サッカーの試合をものすごく楽しそうに見ている姿に焦りはまったくないようだ。何もかも値上がりする昨今、焼酎は安いとはいえ、そうぐびぐび飲んだらあっという間に終わりますけど。
夫の人生は夫の人生。お好きな木を植えていただきたい。
私は私の人生をしっかりと歩んでみたいと思うこの頃。
やっぱり振り返った時に、きれいな並木が立っていたほうがよい。
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