2007年12月5日水曜日

可哀そうなジーナ

私しゃ外国人労働者は気の毒やと思う。
彼らは本当によく働く。熱心だ。

フィリピンのことをあまり知らない人は、正直イメージはよくないと思う。
明るくて、よく喋って、色が黒くて、色っぽいけど、うさんくさい。

そういう感じ。私も感じる。

私が平日はしょっちゅうジーナがうちの家に泊まっているというと心底驚く人がたまにいる。
「大丈夫?」とか。

まぁ。いろいろ事件もあるから、外国人がうさんくさいというのはわからなくはないが、
人といっしょに暮らすのは誰であっても大変だ。

世の中身内が安心だと思うのが甘い。夫の方が油断がならん。私の場合。 昔、人が楽しみに食べようと思っていた雪見大福のファミリーパックを全部食べてしまっていたことがあったとか(今でも雪見大福を見るたびに怒りがよみがえる)、信じられないことだった。9個も入っていて、私が買ってきて、私が楽しみに食べようと保存していたものを勝手に全部食べたなんて!!しかも、それを私に黙っていたなんて! 私は泥棒と住んでいる覚えはない。 と怒ったものである。

 
 で、話はもどるけど、フィリピンの貧しさというのは行って見てみて初めてわかると思う。
働いてない人が道端にごろごろ座っている。車がブーブー走っていて、高速道路もいっぱいあるのになんで大人が道でごろごろただボーット座っているのか不思議だと思うけど、実際、家がなかったり、仕事がなかったりする。 保険制度もろくにない。 政治がムチャクチャというのは、本当に怖いものなのである。

この前、私と(スタッフも)郷ひろみ様がお茶を飲んだペニシュラホテルでクーデターが起こったが、あれを企てた人は間違いなく全員が殺されることになるだろう。 アロヨ大統領というのは、結構キツイ人なんである。

その政府の無策を不満に思っていても不満を口にすることもできない。そういう民主主義が機能しておらず、自由主義経済の悪いところが凝縮しているのがフィリピンという国なのであった。

だからジーナの子どもの頃の話もなんとなく聞いてみるとすごい。14歳まで家というものがなかったとか。 だからジーナはホンマに節約で、いうたらセコイところがある。どんな容器でも洗って再利用を試みるとか。

またまた話がそれますが…ダイエットで100円のヨーグルトを毎日のように買ってきたことがあり、その容器が延々とたまるので(お弁当の容器などに適度に使って古くなって捨てるのだけど)、私が我が家には「カスピ海ヨーグルト」を親戚一同みんな食べている。こうやって作るのだと教えた。彼女はとても感激し彼女の日本にいる親戚にあっという間に広まったようだ。

ジーナの苦労の仕方は、我々日本人には考えられない苦労だと思う。ストーブの使い方、水の使い方、気を使ってくれているのかもしれないけど、本当に違うのである。で、彼女はちょっとしたことをとても楽しそうに話す。それはフィリピン人の特徴だと思うが、日本人の男がフィリピン人にはまるのはそれだと思う。


そういうおっとりして苦労に耐え抜いた(日本人がフィリピンを虐待したことも忘れたらいかん)国民性なので、現状を改革するというより耐えることでがんばってしまうようなところがフィリピン人にはあるような気がする。

昨日、工場でジーナはケガして帰ってきた。機械に指をはさんでしまったらしい。ものすごい痛いと思うが、彼女は泣きごとを言うでもなくちょっと笑っている。 彼女の仕事場は小さな町工場で続くバイトがおらず長く続いているのはジーナだけなんだそうだ。

でも、たまにケガして帰ってくるフィリピンでネイリストだったというジーナのすっかり太くなった指を見ていると可哀想だなと思ってしまう。でも、彼女は家を建てるためにがんばっていて幸せなんだと思っていると思う。 彼女の国では彼女の年になるとそんな工場のバイトもないのだ。小学生が働き賃金の高い大人は働けないのだから。

日本の技術が残らないというけど、私は積極的に外国人労働者を受け入れて苦しいバイトも明るくやってくれる人を増やして(工場にとってはそれはとても貴重な収入源にもなる)日本の工場を守るしかないと私は思う。 外国に工場を持って行くのじゃなくって、工場に外国人をオオッピラに呼んだらいいと思うけどな。

そしてそういう価値観が違う根性のある外国人にわれわれ日本人は多く触れ合って刺激をもらうと本当に勉強になると思う。日本人がいかに幸せかがわかるというものだ。

ジーナは朝は8時に家を出て、夜は12時過ぎに帰ってくるのだが、風呂に入って料理してお弁当まで(簡単なものだけど)持って行くのだった。根性が違うなと私は思う。

私もすっかり影響を受けている

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