2006年12月12日火曜日

コーチャンにはお友達がいない

久しぶりにフィリピン人の息子、コーチャンと喋る。

イジメ問題がウワサになる昨今、私しゃお婆ちゃん感覚で軽い知的障害のあるコーチャンが心配である。 で、久しぶりにAが誘ってくれてコーチャンと3人でランチ。いろいろ聞く。コーチャンは友達がいないの。とか。そうかぁ。と話を聞く。「ゆうちゃんがいるからオレはいいんだ」とコーチャンが言う。コーチャンは自分が他の子とちょっと違うとわかっている。
 ママの新しい彼氏のことについて私と二人で話しをしたとき、

 「今度のパパはあれはママのパパだな」なんて、よくわかっていることを言うのだ。
 私が思わず感心して「ま~コーチャンも将来、結婚したくなったりするぞ」と言った。
 これが小学校2年生のそれも知的障害のある子どもとの会話だろうかと私は思う。
 私しゃ十分、コーチャンは賢いと思うんだけど。

 そしたら驚いたことに「オレは結婚せんと思うわ」と言った。
 ああ、この子は自分の知的障害についてもよくわかっているんだなと思った。
 このときに、無責任にそんなことないよと言うのは彼をよけいに傷つけるなと思って

 「そうかぁ。…だったら、一生ゆうちゃんとコーチャンで遊ぼうな」と言うたのだ。
 彼は私との約束を今も信じてくれている。
 「ユウチャンがいるから友達おらんくてもいいねん」というのは、その時の会話を覚えているのだと思った。
  私も命ある限りコーチャンを抱きしめたいと思うのだった。

 が、でも、オマエ、結婚できなくてもいいけどさ。お友達はユウチャン一人は寂しいだろうと。


 コーチャンは食後、うちの事務所でゆうちゃんと遊びたいと言う。
 で。ユウチャンの事務所でパソコンに残っている泣いてばかりいる赤ちゃん時代の写真や音声を見せる。 あなた、この頃、お勉強好きって言ってたんよ。

 って。 教えてあげる。

 で、ママはなんか買い物が沢山あるらしく、ちょっと遅くなるそうなので、じゃ、楽しい掛け算の勉強をしましょう。と。

 私は、彼が3歳でフィリピンから来たときは、何とか字だけは読めないと、と必死に預かっていた頃は文字の勉強ばかりをさせてしまい、数字については、1対1の関係とかは教えてあげたけど、ドッツカードも、数数え遊びもしてないことに責任を感じているのだわ。

 彼が障害があるとわかっていたら、算数徹底的にやったんだけど。
 彼の脳の障害は認識が普通より困難というもので、思索的なものは水準は高いと私は感じている。数学的センスを身につけさせることで、かなり彼の脳は発達するんじゃないだろうかとか、お婆ちゃん心で、これはおもしろそうだと思うドリルのようなものを準備してしまうのだった。

 で、楽しい会話とお菓子の時間の次は、恐怖の算数教室になる。 この絵のアヒルの数と、この絵の熊の数はどっちが多いですか? とか、そういう感じなんだけど。

 そんなの簡単だとか、言うわけだわ。 でも、コーチャンぐにゃぐにゃするの。
 楽しくないみたい。

 オマエ、そりゃ嫌われるわ。 ワガママヤモン。って言うてやった。
 で、九九の練習も何回も何回もさせる。できるまでさせる。 私は、できるようになることを彼に楽しんでもらいたいんだけど(究極、勉強というのはそれが喜びだと思うし)。彼はムリと思っているのか、頑張りというものがないの。


 オマエ、それじゃバカにされるわ。がんばらないんだもん。

 彼はまたグニャグニャする。 アカン。もうちょっとしたらイジメラレルようになるぞ。
 そんなんじゃ。甘えんぼの自分勝手君は嫌われるよ。結局。

 泣きそうになる。

 ざまあみろ。 「あなたね。やったらできると何で思わないわけ?見たでしょ。日本語も全然わからなかったじゃない。でも、今できるようになってるじゃない。算数だってできるよ。がんばろうよ」

 ママが来てくれて時間キレ…。 

 でも、また電話があって、日曜日遊びにちょっとだけ来たいんだって。

 言うとくけど、ゆうちゃん、スパルタやで。 
 
 コーチャンは、無意識に自分にはユウチャンが必要だと思ってはいるのだろうか。

 でも、母親もコーチャンの赤ちゃんみたいなのは、このままだったらダメだとやっとわかり、長男の天才児をフィリピンから呼び寄せることになった。来年4月から。

 やった~!楽しみだぁ。 数学コンテスト優勝で、プライベートスクールでトップの彼なの。ちょっとコーチャンも刺激を受けて遊んで楽しくばっかりは楽しくないことを覚えるべきだねと。

 早速、日本語教室の番組を録画しなくっちゃ!

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